パターンマジックから『ねじり』を1/2トルソーで試作してみました!

文化出版局から出ている「パターンマジック』という書籍。
ちょっと変わったデザインやディテールのパターン展開が、種明かしのように惜しげもなく詰まっています。

その中から「ねじり」という作品に挑戦してみました。
アシンメトリーでウエストにねじりがある、ちょっと変わったデザインです。

パターン作成の手順を見ていくと、前後身頃と両袖が全部つながった大きなパターンなるもよう。
手書きの作図は大変そうなのでざっくりCADで書いてみたところ、やはり大きい!
紙が106cm×170cmも必要だったので、ひとまず1/2の縮尺で試作品を作ってみることにしました。

目次

CADでパターンを作図

私は本業では建築系の仕事をしているのでCADは日常的に使っていますが、自宅での趣味使いでは同じCADは高価なので使えません。
そこで、いくつかフリーのCADを試した結果、「AR_CAD」というフリーソフトが自分にとっては使いやすかったので、そちらで書いてみることにしました。

AR_CADでの作図の様子

ひとまず指示通りに作図を進めていくと、縮尺1/2だとA1(A3×4枚分)ほどの大きさになることがわかりました。

各ツールの細かい使い方まではまだ把握できてないので、細部の線の処理などが完全ではありませんが…正確な形と大きさは最低限表現できました。

CAD図を印刷

次に作図したデータを印刷したいのですが、A1サイズのような大型出力はお高いので、ここはやはり分割印刷して切り貼りしようと思います。とは言え、我が家にはプリンタがないのでコンビニ印刷することにしました。

以前はA4サイズのインクジェット複合機を使っていたのですが、度重なるノズルの詰まりや紙送りの不調がストレスになり、ちょうどペーパーレス化を進めたかったので、プリンタはきっぱり処分してしまいました。

意外にも、コンビニプリントの料金は普通紙のモノクロ印刷だとサイズに係わらず1枚10円なんです。(※ただしファイル形式やデータの持ち込み方法に制限あり)

ゆりんご

A3が使える。意外と低コスト。
コンビニ印刷もありだと思いますよ!

コンビニに行く前にデータを準備

そうなるとCAD形式のままでは印刷できないので、どんな形式なら良いのか調べた結果、ほぼPDF一択だろうということになりました。
コンビニも数社あり多少の違いはあるようですが、PDFにしておけば共通で大丈夫そうです

用紙には印刷できない「余白」の部分ができてしまうため、実際はA3よりも上下左右1cm位ずつ小さい寸法で分割し、それぞれをPDFに変換します。

作図したパターンに分割線を入れた状態

ぎりぎりA3×4枚に収まりました。

CADデータをPDF形式に変換したファイル

コンビニにデータを持ち込み、マルチプリンターで印刷

どのコンビニも、事前にネット上にデータを保存しておいてそれを呼び出して印刷、という方法があるようですが、なぜかそっちは料金が高かったり登録が必要だったりとやや面倒そうなので、今回はUSBメモリに保存して持っていき、直接読み込みました。

ゆりんご

他にもスマホに保存しておいて、現地でプリンターに送信する方法もあります。(※専用アプリが必要です)

マルチコピー機はその名の通り、機能が多すぎてちょっと戸惑いますが、ディスプレイの指示に従って操作を進めると、スムーズに印刷できました。

裁断→仮縫い

1/2の大きさだと気軽に試作できるイメージでしたが、ちゃんと型紙を作ってみると意外と大きい!
半端に余っているニット地では足りないし、かと言ってわざわざ買いに行くのもなあ…と思っていたら、ピッタリの素材を見つけました!

主人が着古した後パジャマに格下げしていたTシャツです。笑

しかもシームレス仕様なので、かなりの面積が取れそうです。

型紙には縫い代を付けておいたので、ひたすら型紙通りに裁断して仮縫いします。

縫う箇所も少なく、両脇と左肩のみ。裾や衿ぐりはとりあえずそのままで1/2トルソーに着せてみました。

この1/2のトルソーは、文化服装学院通信講座のパターンコースを受講した時に購入したもので、全課題が1/2縮尺での提出だったので必須アイテムでした。
パターンに何度も修正を加えていく時に、紙・シーチング・縫う量などすべてが半分で検証できるので作業がサクサク進み、試作が楽しくなります!

原寸大トルソーと1/2トルソー

試作を終えての考察

試作に使ったメンズTシャツで、思いのほかたっぷりと生地が調達できたのですが、実は前身頃に布目を合わせることまではできず、少し角度を振ってしまいました。
それにより、肝心なねじれのドレープの出方が正確に検証できてない感はありますが…全体の雰囲気はつかめました。

生地の厚さやテンションの高さによって表情がだいぶ変わりそうなので、生地選びは重要だと思いました。

ぜひ原寸大も作って着たくなりましたが、型紙の切り貼りや裁断、大変そうだなあ…。
でも、そのうち挑戦しようと思います!

後日、原寸大作ってみました。よろしければご覧下さい!

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