服作りをする時、まず作りたいアイテムやデザインが先にあって、それに合う生地を選ぶこともありますが、先に生地からインスピレーションを受けて何を作ろうかと考えることもありませんか?
今回は後者のケース。
生地屋さんでたまたま見かけて一目惚れした「石ころジャガード」という綿麻の生地。
定番商品のようですがちょっと変わったテクスチャーで、即座に作りたいもののイメージが湧いてきました。
頭に浮かんだのは、茅木真知子さんの「かんたんなのにGood Looking」という本の中の「水玉のワンピース」のイメージ。
一度作ったことがあり、とても着心地のいいデザインです。
ヘビロテしていたので、裾のゴムが伸びてしまいました。笑
今回はその時に使った型紙を利用して部分的にアレンジをしながら、生地を見つけた時に浮かんだイメージに近づけていこうと思います。
デザインを決める
オリジナルパターンはラグラン袖で被って着られて、身頃やスカート部分のボリュームが控えめ。
とにかく着心地がいいです。
でも、年齢的に首が大きく開いたデザインはそろそろ控えたいなと思い始めていたり、全体的にもうちょっとふわっとしたフォルムにしようかな、などと考え、下記の4点をアレンジすることにしました。
- 衿ぐりを小さくして後ろに「あき」を作る。
- 袖をパフスリーブ風にして、袖口は見返し仕上げにする。
- 身頃にもう少しボリュームを加える。(前後それぞれセンターにタックを入れる)
- スカート部をややコクーンシルエットにする。
パターン操作
1. 衿ぐりを小さくする
オリジナルパターンの衿ぐりは、前側よりも左右の方向に開いていて、幅1.5cmの衿ぐり布が回っています。
今回はこの衿が付いた状態から何cm小さくするのかを、シーチングでサンプルを作って検証しました。
試作を重ねた結果
前→+1cm
左右→+2cm
後ろ→そのまま
これらの数値を元に衿ぐりを引き直しました。
ベストな衿ぐりを見つけるために何度もやり直したので、シーチングがズタズタです。笑
2. 袖の肩ダーツを閉じて袖口を広げ、パフスリーブ風にする。
ラグランスリーブには肩ダーツが入っているので、それを閉じて袖口を開きます。
次に、開いた袖口をパフっぽくするためにタックを入れます。
このタックの分量・本数・位置によって表情が変わると思われるので、この部分もシーチングで検証しました。
3. 前後の身頃にタックを入れて裾を広げる
全体的にもう少しふっくらさせたいので前後の身頃中心に、前8cm分,後ろ4cm分のタックを加え、さらに脇裾を1.5cm広げました。
4. スカートの裾15cmの所で切り替える
ゆるいフレアになっているスカートの裾15cmの所で別布に切り替えます。
これにより、若干広がりが抑えられてコクーンぽくなるかなと予想しました。
仕上げのポイント
衿ぐりを小さくしたことにより「あき」が必要になったのですが、ちょうど身頃中心にタックを入れたのでそれを利用して短冊あきを作りました。
衿ぐりと袖口は見返し仕上げにしました。
はぎれの中から同系の薄地を選んだので、ちょっと明度の差がありますが…自分用なので良しとしました。😁
完成後の感想と気づき
衿ぐりと袖の表情はシーチングで試作したので、ほぼイメージ通りになりました。
衿ぐりと袖口の仕上げを「タック&見返し」で揃えたのも、統一感が出て良かったなと思います。
面倒でも、試作してみることは重要だなと思いました!
ちょっと残念だったのは、スカートのややコクーン風になる予定があまり効果的でなかったこと。
切り替え布を長方形でなく、ゆるい扇型にしたらもう少し変わるかなと思います。
あと、今回初めて短冊あきを作ってみましたが、あまりきれいにはできず…。自分用なのでいいのですが、もっと数をこなして美しく仕上げられるようになりたいです!
お気に入りのアイテムのパターンをアレンジすれば、一からパターンを起こすよりも早いということが実感できました。