日暮里でとある生地に一目惚れしました。
ちょっと変わった生地で、綿100%の黒無地に帯状の異素材がランダムに配置されています。

シンメトリーっていうわけでもなく、面白いデザインになりそうだと思い、生地をたっぷり使ったワンピースを作ってみました。
今回は原型からパターンを起こそうと思います。
自作のパターンの時はいきなり本番の生地で作るのはリスクが高いので、必ず1/2の縮尺で確認してから作成するようにしています。
今回もシーチングで試作して何度かパターンを修正しました。
以下、最終的なパターンと制作の過程です。
デザインのポイント
本当はイメージを表現するにはデザイン画があれば良いのですが、絵が下手くそなので…箇条書きです。
- ラグランスリーブで袖丈は5分袖くらい
- 衿ぐりと袖口にギャザー
- 前開きで短冊仕上げ
- 衿ぐりは狭め
- 着丈は長め
原型操作
まずはダーツを移動して、作図用に整えます。
後ろ身頃の肩ダーツを全部襟ぐりに移動しました。

次にその後ろ衿ぐりのダーツと同じ分量を胸くせダーツから前衿ぐりに移動して、残りは全部裾に移動しました。

作図
操作し終わった原型を元に、ラグラン線を入れて身頃と袖を作図します。
衿ぐりのギャザー分として身頃と袖の幅を広げ、袖ぐりも多めにゆとりを加えました。

ゆりんご着丈は参考程度で。
私は低身長なのでこの丈にしましたが、平均的な身長の方はもっと長くてよいと思います。
後ろ身頃は切り開いて裾を広げます。


袖について下記は一度目の試作ですが、袖丈が微妙で気持ち悪いのとボリュームも足りないと感じたので、さらに修正しました。


最終的にこのような袖にしてみました。


衿はスタンドカラーをベースにした作図をしましたが、全然立ってる衿のイメージではなく、「バンドカラー」などと呼ぶそうです。
シンプルが故に、衿幅やパターンのさじ加減で衿の立ち具合とか微妙に表情が変わることを実感しました。
特に前中心の立ち上がりの量はポイントで、最終的には6cmとしました。


作り終えての感想
1/2スケールの試作は全体のバランスやボリューム感などはざっくり把握できますが、衿ぐり周りの微妙な詰まり具合までは検証できないように思いました。
実際トルソーと人間(自分)では骨格や姿勢も違うので当然ですが…余力があれば衿の周辺だけでも実物大で確認した方が確実だと思いました。


袖口はゴムを入れて仕上げて着てみたらなーんか微妙で、長めのゴムに入れ替えてゆるゆるにしたらしっくりきました。
自作のパターンは試行錯誤の連続ですが、データとして残しておけば次に別のアイテムを作る時にきっと役に立つと思います。

